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海岸から消失する砂浜 [Environment 環境]

先日、愛犬の様子を見に愛知県豊橋市にあるブリーダーさんの所まで車を跳ばして様子を見に行って来た。
まだ乳離れできない子犬だが順調に生育している様子。
それにしてもボーダーコリーの運動能力は噂に違わず高いものがある。犬舎の中で頭が2mくらいの高さまでピョンピョンとジャンプを続ける。凄いなあ。ちょっと煽られそう。


その帰り道、すぐ近くの海岸まで海を見に寄ってみた。
ここは表浜。この海岸線は渥美半島の伊良湖岬から静岡の御前崎まで延々と続く長い長い海岸線。
そして、豊かな砂浜を抱えた海岸線は素晴らしいものでもある。
豊橋では「うど」と呼ばれる巻き波があるために遊泳は禁止されているが、中部地方ではサーファーが集う所としても知られている。

そして、ようやく保全に注目が集まるようになったのがアカウミガメの産卵。
表浜はアカウミガメの産卵地としても知られている。
しかし、以前は酷いものだった。
産卵地であろうがなかろうが四駆が砂浜を暴走して産卵地を荒し回っている時代があった。
この10年ほどだろうか。
NPOなど多数が活動を始めて、この素晴らしい海岸の自然保全を行ってくれている。

アカウミガメ産卵を守るため、海岸線に連なった消波ブロックの撤去を訴えて国や自治体と粘り強く交渉してきた。
近年、産卵保全のために国や自治体も折れて、ブロックの一部撤去が始まっていることは実に喜ばしいな。


しかし、この海岸に来て見ると何ともやりきれない思いに取り付かれる。
何故なら、砂浜が急速に消失しているからだ。
この海岸に通い始めた20年以上も前のこと。
波打ち際から陸地側に積み重なった砂浜は実に広大であった。
90年代頃でも写真のこの砂浜で充分キャンプでテントを張れる余裕があった。
波打ち際まで相当な奥行きがあったからだ。
しかし、写真でご覧頂ければ分かるのだけれど、干潮から1時間後という時間帯でご覧のような有り様であった。
消えた砂浜の代わりに数珠つなぎに置かれているのが消波ブロックである。

sand4.jpg


広大は砂浜がこの10年20年の間に消えてしまった。
何が起きているのだろうか?
背景には温暖化による自然現象とは言えない矛盾した状況がある。

消える砂浜を何とか保全するために国交省は消波ブロックを設置し続けて来た。
しかし、その一方で、日本列島各地にこれでもかと言うほどのダムを造り続けてきている。
列島のあらゆる渓谷に建設されたコンクリートの固まりでもって水と土砂をせき止め縛り首行為を続けてしまっている。
よって、河川からは海に向けて砂岩が供給されなくなり、以前は常に海岸に供給されていた砂が今では供給が途絶えて流失する一方だ。
巨大公共事業は河の上流から砂の供給を止める一方で、海岸線では消えていく一方の砂を何とか食い止めようとしている。
いずれもコンクリートでコントロールしようとしているがこの矛盾した公共事業をどう評価すべきだろうか?


人間という生物は地球の各地で矛盾した乱開発を続けている。
矛盾が矛盾を生み、大自然を制御不能なところまで破壊してしまっている。
私は世界各地のそうした矛盾全てを実際に見に行って目の当たりにすることは出来ないが、
こういう身近な所でも、そういう矛盾を見ることは出来る。


砂浜が消えた現実。
そして私が生きてきた僅かな間にも、自然が壊されていく一方である現実を目の前にして
悄然としてしまうしかないな。







満潮ではなく干潮に近い時間帯でこの状況
無機質なブロックが現代社会の矛盾を黙示している
sand5.jpg




豊かな自然が失われませんように・・
sand3.jpg




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