アバター AVATAR 3D 考 [Cinema 映画]
1月には映画館まで足を運んだものの、満席で入場できないほどの盛況ぶりであった。
出直して観たのは2月だった。
吹き替えではなく原語再生・日本語字幕付きである。
IMAXとは言っても本来の巨大スクリーンのIMAXではなく、IMAX3Dデジタル方式というものであった。
これは国内に4ヶ所にしかないらしい。
名古屋、菖蒲(埼玉)、川崎、箕面だけだ。
現在、国内で上映されている3D方式はこのIMAX3Dデジタルの他、
Real D、Dolby 3D、XpanDの 4方式とされている。
4方式すべてを観た訳でもないのに、結論的に言うと、やはり3D上映を観るならIMAX3Dデジタルに決まりということだろうか。
しかし、IMAXを観ただけで比較考量出来ないので、XpanD方式も観に行ってきた。
何と空港である。
中部国際空港セントレアではなく名古屋空港。
元国際空港の国際線ターミナルビルが今では大型商業施設に変貌して、
ショッピングセンターにシネマコンプレックスなどが併設されている。
それにしても、不思議な感じだった。入場したシネコンは以前の国際線搭乗口近辺だ、たぶん。
かつてのボーディングゲート辺りに?スクリーンがある。
昔は、ここから海外出張、海外赴任となっていた訳だし、実際その向こうは今でも滑走路があって
国内線や自衛隊機が離着陸しているのであるから。
そんな所で再びアバターを観た。今回はXpanD方式で、日本語吹き替えであった。
噂ではXpanDの3Dメガネは重いと聞いていたのだが、それほどでもなかった。
しかし、3D映像に関してはIMAXと比べるとかなりの落差と言っていいだろうか。
3Dメガネをかけて観ると画面が一気に暗くなってしまう。
輝度が何とも言えないほど下がってしまうのである。
それに加えて彩度も落ち込んでしまう。 せっかくパンドラの大自然が?素晴らしいパノラマ映像で
描かれているのに、場末の映画館のスクリーンより暗いトーンになってしまうのである。
翻って考えるにIMAX3Dデジタルはメガネが大きい、視野が広がる。圧倒的に明るい。
比較して観るとこれは同じ3Dとは言いながら、甲乙をはっきり付けざるを得ない。
Real DとDolby 3Dは観ていないので論評出来ないが評判を聞く限り、IMAXが凌駕していることは否定出来ないようだ。
そもそもアバターはIMAXを前提にして作られたそうだから、結局の所そういう結論になってしまう。
ただし、本来のIMAXシアターは国内には現在ないのだそうだ。
以前は新宿高島屋に巨大なIMAXシアターのスクリーンがあって、私も東京滞在中はよくそこへ足を運んだものだが、
数年前に閉館になったと思う。東京の方には残念なことだろう。
アバターの登場が10年遅かったということか。
海外には本来のIMAXシアターが繁盛しているらしいし、私もバンコク辺りに行くと
巨大スクリーンのIMAXシアターを楽しんだりしていた。アバターもそこで観たかったものである。
3Dで指摘することはそれだけに止まらない。
3Dメガネをかけて観ると本来のスクリーンよりも画面が小さく感じてしまう。
そういうことで言うと3Dを観る時には多少いつもよりは前方の席に座る方が良かろうか。
3Dは大きなスクリーンで視野角いっぱいに広がる立体映像で楽しみたいものである。
だが、それ以上に見逃すことが出来ない問題点がある。
それは字幕の問題だ。
何と立体映像を楽しんでいる時に観客に最も近づいて来るのが、この日本語字幕なのである。
これがうざったい。
当面は3Dと言えばmade in USAのオンパレードになりそうであるが、
ただでさえ、外国映画の日本語字幕を眼で追うのは相当な負荷になっているのに、
3Dではこれがまたさらに輪をかけて邪魔な存在になってしまう。
字幕が目の前に飛び出て来てしまうのだ。映画の中の主人公より圧倒的に目立つ字幕!
この辺りのことは論評されていないのではないだろうか。
原語を聴けない日本語吹き替えには臨場感を阻害するという向きもあろうが、結構、3Dでは翻訳字幕は大きな問題だ。
海外では外国映画を母国語吹き替えするケースが多い。それが当たり前になっていたりする。
アバターに関しても、日本語吹き替えにそれほどの違和感を感じなかった。
最近の吹き替えも音響効果は何ら問題にならないほどのレベルに来ている。
3Dに限って言えば、余りに邪魔な字幕版を避けて、日本語音声吹き替えで思う存分立体映像を楽しんだ方がいいのかも知れない。
実際、国内の3D上映館を観ると徐々に吹き替えスクリーンの方が増えている感じもするし。
それと3Dを観るのは疲れるというご意見も一部ではあるようだが、
字幕の問題を除けば、観始めてしばらくすると目が馴染み、画面の中に吸い込まれていく。
その昔の3Dに比べれば遥かに自然で観やすくなっていると思う。
画面で疲れるということで言えば、アカデミー賞を獲得したハートロッカー The Hurt Locker の方が
観ている時の疲れは3Dどころではない。
リアリティを意識したカメラワーク、編集は仕掛け爆弾から逃げ出したくなるほどの緊張感を強いるから
ファンタジーの要素のあるアバター3Dは然程疲れる訳ではなかった。
ハートロッカーが3Dであったなら? これは疲れるかな、目眩を起こすかもね(笑)。
さて先月、実は名古屋では日本初、世界初というハイテク映画館がオープンした。
ULTIRAとD-BOXだ。
先月、こけら落とし2日めにそれを堪能して来たので、近くそのことについても触れてみようと思う。
3DとULTIRA、それにD-BOXのトリプルとなったら、これは凄いね。
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