宇宙からの帰還 Silent Coming Back [Environment 環境]
”はやぶさ" 7年ぶり地球への帰還 Hayabusa Coming Back Moment
和歌山大学宇宙教育研究所より提供
宇宙航空研究開発機構 JAXAが7年前に宇宙へ送り出した小惑星探査機「はやぶさ」が昨夜、地球に帰還した。
大気圏突入の場面は子どもの頃に読んだ漫画「サイボーグ009」のある一場面も思い出した。
「はやぶさ」は7年間もの宇宙の旅から何とか帰還したのに、最後の最後で燃え尽きてしまう。
美しくも悲しい場面であった。
7 Years, 6,000,000,000 km, Space Journey..
ネットであちこち拝見すると少なからぬ人が、この「はやぶさ」の帰還にかなり感情移入して見つめたことが分かる。
私も7年間、往復60億キロもの宇宙行程にある種の感慨を覚えない訳にはいかなかった。
私も他の方と同様に、単なるマシーンの帰還ではなくてある種の人格を持った大切な仲間が
帰って来てくれたかの様にも感じるのであった。
それが大気圏突入で無惨にも本体が燃え尽きる様は、余りに可哀想にも思えるのだった。
その忘れ形見とも言えるカプセルの回収。宇宙の真理に繋がる発見があるだろうか?
JAXAでは「はやぶさ」が地球に戻って来る直前に地球の撮影をさせたようだ。
それこそ「はやぶさ」は彼らにとって見れば子ども同様の存在だっただろうか。
最後に「はやぶさ」に生まれ故郷の地球の姿を一目見させてあげたようだ。なにより、小惑星「いとかわ」に着陸し、
一時は帰還が絶望視された「はやぶさ」だ。その偉業はマシーンという概念を越えた存在となったのである。
全天周映像 HAYABUSA- BACK TO THE ERATH
私は「はやぶさ」の帰還にある映画のことを思い出していた。米国SF映画の「サイレント ランニング」である。
近未来の地球環境の悪化により、地球上の植物が絶滅状態になってしまう。
残った標本の僅かな植物が宇宙船に乗せられ、保存され栽培されている。
その宇宙で、栽培を続けるのがロボットであるマシーンであった。
マシーンが唯一残された植物に水やりをして、世話を続ける愛おしい場面。
そこに過度に文明を発展させ続ける人類進化の皮肉な現実を見るのであった。
最後は宇宙空間に漂う温室が孤独に遠のいていく・・。
最後のその場面で、無限大の宇宙空間の中で生命とは如何に希少で価値のあることなのかを思い知る。
しかし、ただただ何とも哀しいエンディングなのであった。
"Silent Running" 1972
地球環境の破壊を続ける私たち、未来の人類は何処へ向かうのであろうか?
いずれ私たちは滅びることになるのだろうけど、最期はこのようなマシーンに夢を託して息絶えるだろうか?
だが、私たち自身のその未来を見ることを私たちは出来ない。
想像するだけで哀しいその終末を見つめることは出来ない。残念なことに・・。
2010-06-14 13:27
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コメント(4)
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先刻は拙ブログにniceをありがとうございました^^
はやぶさくんの偉業にniceを。
by つなみ (2010-06-16 20:23)
満身創痍、遠い宇宙の果て迷子になりながらも生還した、「はやぶさ」、感動しました。彼が私達の決して行くことのできない、未知の世界を観てきたことにとってもロマンを感じますね。
by aura-aura (2010-06-17 07:52)
つなみさん
コメントありがとうございます。
niceはいくつあっても足りないほどですね。
偉業であったのに最期は可哀想でした。
by 大黒屋 (2010-06-17 17:58)
aura-auraさん
コメントありがとうございました。
マシーンに過ぎない「はやぶさ」にこんなにも私たちが感情移入してしまうのは何故でしょう?
ひたすら人間の要求に応えて献身的に目的を成し遂げる姿に
アトムのような人格をそこに感じるのでしょうか。
そんな気もします。
命を張ってまでも検診する人間は今では希少でしょうしね。
by 大黒屋 (2010-06-17 18:09)