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「魚が出て来た日」 THE DAY THE FISH CAME OUT [Accident 事件事故災害]





とうとう東京の水道でも放射能が暫定基準を超え始めたようだ。乳児基準とは言え、計画停電に続く不安感は首都東京まで被い始めている。
それでなくても、余震が日常茶飯事のように続いているようだし、お察しするしかない。


無論、被災地の惨状は申し上げるまでもない。さきほどのTVニュースで子ども3人と父親を亡くした男性が
葬儀で火葬場でたちすくんでいる場面を拝察したのだが、言葉もない。
いや火葬に出来るのはまだ良い方で、身元確認もできないまま土葬にするしかない状況に追いつめられてもいるようだ。



それにしても露地野菜の放射能汚染に止まらず、海水でも放射能が測定されているようだ。
放射能は食物連鎖の過程で濃縮されていくから、これも今後が懸念される問題だ。
土壌汚染も通常の1600倍?! 地震津波被害に止まらず福島県は実に深刻な事態に直面している。


これを書いている今、九州でも震度3の地震との速報。日本列島は巨大地震の影響で列島自体が歪んでいるのだろう。ここまで広範囲に列島各地で余震あるいはその影響を受けたような地震が続くというのは記憶にない。


さて、水道の放射能汚染が福島で確認されたことは既に報じられていたが、東京でさえもこんなに早く確認されるとは驚きでもあった。
水道、魚、放射能、このキーワードで記憶回路で検索したかのように思い出した映画がある。








「魚が出て来た日」"THE DAY THE FISH CAME OUT" 1967 








大阪万博の頃だったか、TVで放送されたこの映画を見た。コメディタッチなのに内容は実にシリアスであった。
ギリシアの島の開放的な雰囲気、ファッション、音楽の一方で爆撃機から紛失した核は行方不明になる。
それと知らず、金属で密閉されたボックスを開けようとする島人。
これがとんでもない事態を引き起こす。核物質がアクシデントの積み重ねにより給水施設に投じられてしまうのであった。
そして、魚が港で大量に浮き始めて恐怖の事態が明らかになる・・。




主演のキャンディス・バーゲンが何とも美しい。ファッションも44年も前の映画とは思えないほど鮮烈だ。
コミカルなストーリー展開の一方で、恐るべき事態は静かに深刻に進行していく。
こんなことはあってはならない、あるはずがない、そういうことが起きないように英知は尽くされる。この映画を見ながら現実にはそういうことは起きないと誰もが思ったはず。




















だが、日本でそれが現実になっている。何とも似たようなロジックで驚くべきことに日本でも同様の現象が起きつつある。核爆弾と原子炉災害という違いはあるが、世界唯一の被爆国でありながら技術大国だという慢心はなかっただろうか?
スマトラ大地震でM9.3という大地震を目の当たりにしながら大津波対策を怠ったことがこの事態を引き起こしたのではなかっただろうか?
東京電力の惨劇を目の当たりにして今ようやく国内各地の原発では大地震大津波対策を本格化させるのだろう。
しかし、それでは遅かったのだ。



これは天災に引き続く人災だ。被爆国が自ら日本人だけではなく、そこに住む全ての生命に脅威を引き起こして、
世界で2番目というレベルの放射能汚染国に成り果ててしまった。
私たちはこれからのあり方を問われてもいるようだ。日本人がこれからどう生きていくのかを見つめ直すことになるのだろう。
















そうする為にもこの危機を脱しなければならない。東京電力をはじめ原発、政府関係の責任は重いどころではない。万死にも値する。危機を抜けられたら?組織を解体して出直すことになるのだろう。



映画でも原子炉爆裂のような巨大放射能拡散事故という事態までは描いていないのであるから、そんなことが現実になってもらっては困る。困るがそういうことも起きない保証がどこにもないところに現実の恐怖がある。
これが悪夢であったならよいのだが、日本人は当面は放射能とお付き合いをしていかねばならない。悲劇的現実だ。


果たして映画同様に魚が浮いて来る日を私たちは見つめるような事態が来るだろうか?









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コメント 2

youzi

お邪魔するのが遅くなりましたが、
ご無事でよかったです。
by youzi (2011-03-26 11:49) 

daikokuya

youziさんもご無事でしたか。
ここに集っていらっしゃる方々のことも心配ですね。


by daikokuya (2011-03-30 15:14) 

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