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「スーパースターの死」と「名もなき人々の死屍累々」 [World Situation 国際情勢]


現地時間の7日、ロサンゼルスでマイケルジャクソンの追悼式が行われた。





追悼式のセンターポジションで歌った黒人系女性歌手?
実はお母さんが日本人で米国人の父とのハーフなんだそうだ。
元々ロンドンコンサートでバックコーラスの一員で予定されていたそうだが形を変えての登場となった。
何でもマイケルの信任が厚かったということらしい。



マイケル ジャクソン追悼式




スーパースターの死は世界中の涙を誘ったが、この同時期に世界では名もない市井の人々が連日のように命を失っている。

世界平和を願い歌ったスーパースターの死の一方で、毎日、何処かで誰かが殺害されて命を奪われている。
世界のこの現実をどう考えたらよいだろうか?



ウイグル暴動では無差別発砲があったのかどうか、犠牲者は数百人との見方さえ出て来ている。




ウイグルの惨劇は国家主席がG8出席を断念してUターンするという異例の事態を招いている。
それほど、この事態は中国にとって深刻だ。

中国にとってチベットより深刻だとしたら、ウイグルがイスラム圏であることだ。
既にトルコが国際問題として取り上げる動きを見せている。

イスラムの連帯感に火がつくと中央アジアからアフリカまで資源外交を進めている中国にとっては
極めて厄介な問題になりかねない。


昨夏、北京五輪開会時にグルジア紛争の勃発でプーチン首相が引き上げる事態となったことをも想起させる。
因みに、私はこの3年間、スラブ圏を長期間に渡って旅していたので、
随時コーカサスの危機をあるSNSの日記で警告してきた。

日本のメディアは当時その事態を先取って報道するような状況でもなかったので、
グルジアでの不穏な動きが特にこの2〜3年顕著になり危機的になってはいても、
日本では注目されていなかったがそれはやはり現実となってしまった訳だ。

そうした紛争でいつも犠牲を強いられるのが市井の罪もない人々だ。





そしてイラク、アフガン。今では巻き込まれる犠牲者がどれだけ出ようが、それはもはや日常的な出来事でもあり、
世界の人々がそこへ向ける眼差しは麻痺して来ているのかもしれない。









一人のスーパースターの死と名前さえ報道されぬ人々の死。
それが重ね合わさる時代を私たちは生きている。
そしてスーパースターの死の方がより大きく報道される時代でもある。

まったく別次元で別々に報道されて、そのメッセージを受け取る私たち。

同時期の同時代に進行している事実を重ね合わせて思考することは難しいが、
それでも、私たちはそういう時代に生きていることを自覚したいものだ。






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コメント 2

yonyon88

スーパースターの命も、名のない人達の命も
どちらも同じ尊い命です。
複雑な気持ちで今日の日記を拝見しました。
by yonyon88 (2009-07-10 16:25) 

大黒屋

yonyonさん コメントありがとうございます。
一つ前の日記には命を奪われた人々の映像をつけましたが、
無慈悲な死の有り様に今回は貼付けしませんでした。
世界各地で子どもたちまでもが未来を奪われています。
惨い現実ですね。
by 大黒屋 (2009-07-10 16:34) 

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